かつて世界を驚かせたバブル景気から、すでに30年以上。日本は長期的な経済停滞に突入し、「失われた時代」とも言われる時間を歩んできました。そんな中、モノの価値観も大きく変わりつつあります。

かつてはこう考えられていました。
• 高価だから価値がある。
• ブランドだから価値がある。
• 有名人が所有しているから価値がある。
でも、それって本当に「自分の価値観」ですか？
その価値観に魅了されるのは、ごく一部のセレブだけ。一般の私たちは、自分の感性で「好き」と思えるモノこそ、本当に価値があると感じ始めているのではないでしょうか。

バブル期、有名画家の原画には何億という価格がつきました。確かに、歴史的背景や芸術的意義を踏まえれば、その値段は理解できます。しかし、現代の多様性が尊重される社会では、「高いから欲しい」のではなく、「自分が心から惹かれるから欲しい」という購買動機が主流になってきています。

世界の名だたるオークション会社。彼らは芸術作品に価格をつけ、限られた富裕層を相手にマネーゲームを展開しています。確かに、それはビジネスとして成功しているでしょう。

けれど、その売買の中に「作家本人」への利益や評価は、本当に存在しているのでしょうか？

私たちTACTが目指すのは、それとは異なるアプローチです。
まだ世に出ていないアーティストたちの“唯一無二”の作品と出会い、その魅力に共鳴した方が自らの意思で選び、手にする。そんな、感性と感性が響き合う瞬間を、私たちは大切にしています。

TACTの願いは、埋もれた才能に光をあて、日本人の芸術への愛着と理解を、ヨーロッパと肩を並べるレベルへと高めること。
作品に込められた作家の意図や芸術性を正しく評価し、その収益がアーティストの生活を支え、新たな創造の源になる──。
そんな持続可能なアートの循環を、私たちは本気で実現しようとしています。